2017-09

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「お初」認定の基準とは?

更新を滞らせている間にフィギュアのシーズンも始まり、巷では羽生結弦アンチなどから
「アレクセイ・クラスノジョンが初めて4Loを跳んだのに羽生結弦が『世界初認定』を強奪した」
等で論戦も勃発しましたので、ここでジャンプの認定とは何ぞやというのに触れてみようかと思います

アレクセイ・クラスノジョンが4Loを降りたのは2016年9月23日JGPスロベニア大会FSのことでした

アレクセイ・クラスノジョン4Lo評価

一方の羽生結弦が4Loを降りたのは2016年10月1日オータムクラシックSPでした

羽生結弦4Lo

オータムクラシック直前にISU広報員が『4Loに成功すれば世界初の認定を与える』と発言したことから
「クラスノジョンの世界初を強奪した」と騒がれることになりました
クラスノジョンのプロトコルを見るに4Loは回転不足判定はありません。
ではなぜクラスノジョンが×で羽生が世界初認定を受けたかというと答えは簡単です。
クラスノジョンのジャンプは失敗ジャンプだったから。
ランディング部分をキャプチャしてみます
クラスノジョン4Loランディング①クラスノジョン4Loランディング② クラスノジョン4Loランディング③ クラスノジョン4Loランディング④ クラスノジョン4Loランディング⑤ クラスノジョン4Loランディング⑥ クラスノジョン4Loランディング⑦ クラスノジョン4Loランディング⑧ クラスノジョン4Loランディング⑨ クラスノジョン4Loランディング⑩ クラスノジョン4Loランディング⑪ クラスノジョン4Loランディング⑫ クラスノジョン4Loランディング⑬ クラスノジョン4Loランディング⑭ クラスノジョン4Loランディング⑮
④コマ目のところで既にバランスを崩していますし⑥コマ目のところではがっつり右手が氷上についています
そして⑨コマ目ではフリーレッグの左の足もついて、右手と左の足で体勢を立て直してからランディングポーズをとっています
これでは成功したジャンプとは言えません

一方の羽生結弦の4Lo。
羽生結弦4Loランディング① 羽生結弦4Loランディング② 羽生結弦4Loランディング④ 羽生結弦4Loランディング⑤ 羽生結弦4Loランディング⑥ 羽生結弦4Loランディング⑦
白いリンクに白パン、白いシューズなので足元がぼやけてますがランディングは綺麗なものです。
ランディングポーズをとる際にフリーレッグは氷上を擦ってもいません。
イーグルからのプレパレーションがやや間があることでJ4~J6は±0をつけていますが文句なしのジャンプでした

「ステップアウトでもお手つきしても技術審判が回転を認定したら『認定ジャンプ』」という主張を
某掲示板でも他のブログでも目にしました。
ジュニアの紀平梨花が3Aをプロに入れようとしていた時「紀平は7人目の3Aジャンパーになれるか」という質問に
「紀平の前にカナダのアレーヌ・シャルトランが転倒でも回転が認定されていたから
7番目はシャルトランで紀平は8番目」
という記述も目にしましたが
「回転が足りていればどんなジャンプでも認定」ではないのです
2012年4CCのFSでは浅田真央が3Lzでエラー無しの判定を受けましたが、あれだってステップアウトなので「認定」じゃないし

歴代の4回転ジャンプ初認定者とできる限り動画を貼っておきます

4Tで初の認定を受けたのは1988年世界選手権FSカート・ブラウニングでした


4Sではつの認定を受けたのは1998年JGPF・FSのティモシー・ゲーブル。


4F初認定は2016年チーム・チャレンジカップSPの宇野昌磨。


4Lz初認定は2011年コロラドスプリングスの大会FSで降りたブランドン・ムロズ。


ブランドン・ムロズの4Lzと宇野昌磨4F初認定に関しては時間を要しました
昌磨に関してはISUから正式に認定のリリースを受けたのは1週間後でしたし
ムロズの認定に関してはもっと時間もかかった。
羽生は即認定だったのに何でムロズ、昌磨は時間がかかったのか?
ISUから贔屓されているからではないかという中傷もありましたが
これも答えは簡単。昌磨とムロズの認定は公式戦ではなく、
羽生が成功した大会はスコアが公式戦認定を受ける準公式戦だったから


上記で提示した初認定ジャンパーで、カート・ブラウニングだけクリーンなジャンプではありません
ではなぜ、カートは○でクラスノジョンは×だったのでしょうか?
それはカートの動画にヒントがあります

1988年ワールド女子FS競技前にカートの4T初認定の偉業をたたえ、
どれだけの選手が4回転にチャレンジしてきたかを紹介するコーナーがありました

ジョセフ・ソバフチェフ(1985年?)
⇒回転は足りているもののステップアウトと両足着氷で×(0:44~)
ブライアン・ボイタノ(アメリカ)
⇒回転は足りているもステップアウトとお手つきで×(0:53~)
ブライアン・ボイタノ
⇒回転は足りているもステップアウトで×(0:58~)
カート・ブラウニング(1988年ワールド1か月前)
⇒回転は足りているもバランスを崩してお手つき、×(1:03~)
カート・ブラウニング
⇒オーバーターンになるも片足でこらえて初認定(2:57)

カートの認定を受けた4Tランディングはこうなってました
カート・ブラウニング4Tランディング① カート・ブラウニング4Tランディング② カート・ブラウニング4Tランディング③ カート・ブラウニング4Tランディング④ カート・ブラウニング4Tランディング⑤ カート・ブラウニング4Tランディング⑥ カート・ブラウニング4Tランディング⑦ カート・ブラウニング4Tランディング⑧ カート・ブラウニング4Tランディング⑨ カート・ブラウニング4Tランディング⑩ カート・ブラウニング4Tランディング⑪ カート・ブラウニング4Tランディング⑫ カート・ブラウニング4Tランディング⑬
クラスノジョンが着氷でバランスを失い、右手をついたのとは違い、カートは片足で何とかこらえています
また、彼の着氷には体重移動がありません
そこに大きな違いがありました

技術委員会が認める認定の基準(というか、失敗と見なさないジャンプ基準)は
・回転が足りている(<、<<が無い)
・転倒していない
・片手、または両手がついていない
・ルッツ、フリップについては正しい踏切をしている(e、!が無い)
・両足着氷ではない(フリーレッグが氷上を擦るくらいならOK? )
・ランディングポーズをとる間もなく回転の方向に次の足を踏み出してしまう『ステッピングアウト』がない
・体重移動が無い程度のミスならOK
ではないでしょうか?

この基準に照らし合わせるならばフィンランディア杯FSでネイサン・チェンが降りた4Fが「認定」に該当します

4Fランディングは以下のようになってました
ネイサン・チェン4Fランディング① ネイサン・チェン4Fランディング② ネイサン・チェン4Fランディング③ ネイサン・チェン4Fランディング④ ネイサン・チェン4Fランディング⑤ ネイサン・チェン4Fランディング⑥ ネイサン・チェン4Fランディング⑦ ネイサン・チェン4Fランディング⑧ ネイサン・チェン4Fランディング⑨ ネイサン・チェン4Fランディング⑩ ネイサン・チェン4Fランディング⑪ ネイサン・チェン4Fランディング⑫ ネイサン・チェン4Fランディング⑬ ネイサン・チェン4Fランディング⑭ ネイサン・チェン4Fランディング⑮
ネイサンの着氷の仕方はカートが4Tで認定を受けたのと同じオーバーターン。
ジャンプを降りた時に体重移動はありませんし、フリーレッグが氷上を擦ってもいません。
もちろん回転不足もありません(最終GOEは減点ですが)

2011年4Lz初認定を受けたブランドン・ムロズのバイオグラフィーには以下のような記載があります
ムロズプロフィール
『ムロズは2011年コロラドスプリングスの大会FSで4Lzを最初に実施した。
また彼はISU大会であるNHK杯でも4Lzを降りた最初の選手となった

この記載を見るに、史上初の認定と公式戦初の認定はまた違うという事なのでしょう。
フィンランディア杯も羽生の出場したオータムクラシックと同じくスコアが公式記録認定を受ける準公式戦です。
羽生結弦の場合は初めて成功した大会がISUの公式戦ですので区別はされませんが
4Fに関しては史上初の認定は昌磨が、公式戦での初認定はネイサンになるものと思われます
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ルール変更は羽生包囲網にはならない

ルール改正に関して「女性自身」から以下の報道が出ました
羽生結弦が平昌五輪以降も現役を続けるかどうかはわかりかねませんが
仮に現役続行したとして改正ルールが羽生にとって不利になるのか有利になるのか検証したいと思います

羽生結弦に包囲網…歯止めをかける“異例のルール改正”とは

女性自身 6月28日(火)0時2分配信
「本来は6月上旬に氷上練習を再開する予定でしたが、6月下旬までズレ込んでしまいました。左足の腫れは引いたものの、本格復帰とはいえない状態。新プログラム作りにも入れないなど、出遅れ感は否めません」(現地記者)

 左足リスフラン関節靭帯損傷で全治2カ月と診断されていた羽生結弦(21)が6月22日、氷上練習を再開させていたことが分かった。早期復帰が期待されるなか、回復が思うように進んでいない羽生。そんな彼に追い打ちをかけるような事態が起きていたという。フィギュア関係者が明かす。

「6月5日に行われた国際スケート連盟総会で、チンクワンタ会長(78)が名誉会長に就任。替わって副会長だったダイケマ氏(71)が新会長に就きました。そこで今秋から適用される“異例のルール改正”が発表されたんです」

 特定選手に肩入れした不正な採点を無くすため採点の匿名性を廃止すること、正確な技術判定が求められるテクニカル・コントローラーに70歳定年制を導入することなど、かねてからの批判に応えたものも多かった。だが中には「羽生潰し」ともいえる過酷な改正が盛り込まれていた。前出のフィギュア関係者が続ける。

まず今回、フリーのジャンプの本数を制限するという案が可決されました。現行では最大8本まで認められていたものが、再来年以降7本に削減されることになります。またペアと男子シングルの演技時間短くなることも決定。これは今シーズンから適用され、ショートが10秒短縮。今後もフリーを最大30秒短縮する案が浮上しています」

 ジャンプ回数や演技時間が減ると、当然、総合得点はダウンする。羽生は昨年末のグランプリファイナルで歴代最高330.43点を叩き出しており、満点まで残り9.01と迫っていた。こうした高得点の流れに、連盟が歯止めをかけたい狙いもあるという。

「その他にも現行だと何回転倒しても1回の転倒につきマイナス1ポイントとカウントされていましたが、今後は3~4回以降の転倒でマイナス2ポイント、5回目以降でマイナス3ポイントと転倒時の減点幅が拡大されました。さらに18年の平昌五輪後には、演技前の6分間練習もショートで4分間、フリーで5分間に短縮される予定です。羽生選手は試合前のルーティンを重視しており、たかが1分間という問題ではありません」

 平昌五輪を前に暗雲立ち込めるなか、羽生はどう立ち向かって行くのだろうか。

2016-2017より改訂されるルールについてはピンクの太字
で、
2018-2019の平昌五輪翌シーズンより改訂されるルールについては赤の太字
にしてみましたが
どうやらこのライター様は来季から適用されるルールと平昌五輪後から適用されるルールをごっちゃにしておりますな。

ジャンプの本数が減るのは平昌五輪翌シーズンから。
演技時間の短縮に関してSPは今季からですがFSは平昌五輪翌シーズン以降ですよ。
何言っちゃってんの。

それにSPに関しては短縮は影響しませんってば。
SPは現行ルールは「2分50秒以内でコンマ一秒たりともオーバーしたら減点しまっせ」となってます
今季から適用されるルールは「2分40秒±10秒」となっていますので一応短縮されることにはなってますが
10秒の猶予時間を使えば現行ルールと同じ2分50秒の時間で演技ができる
という事です。
SPでもスタミナ切れを起こしてしまう選手、振り付けがスカスカな選手は2分30秒にしてくるかもしれませんが
多くの選手はルール改正が競技される前からプログラムを作っていますので従来と何も変わらないのではないでしょうか


本当に羽生結弦の基礎点は下がるのか

羽生結弦の2016年世界選手権FSはパーフェクトに演技をしていれば基礎点は↓のようになっていました
エレメンツ基礎点
 4S 10.50
 4T 10.30
 3F 5.30
 FCCoSp4 3.50
 StSq4 3.90
 4S+3T 16.28
 3A+2T 10.78
 3A+1Lo+3S 14.74
 3Lo 5.61
 3Lz 6.60
 CCSp4 3.00
 ChSq1 2.00
 CCoSp4 3.50
 技術点基礎点合計 96.01

これを平昌五輪翌シーズンの「ジャンプ7度」に当てはめて3Lzを除外すれば確かに6.60基礎点は下がってしまう

ところが。
ジャンプ7度でもほぼ変わらない基礎点を得ようと思えば得られるのですよ。男子はね。
たとえば↓のような構成とか。
エレメンツ基礎点
 4S 10.50
 4T 10.30
 3F 5.30
 FCCoSp4 3.50
 StSq4 3.90
 4S+3T 16.28
 3A+3Lo14.96
 3A+1Lo+3S 14.74
 3Lz 6.60
 CCSp4 3.00
 ChSq1 2.00
 CCoSp4 3.50
 技術点基礎点94.58

羽生結弦がセカンド3Loを跳べるかどうかはわかりませんが、コンボのセカンドに3Loを使うことができれば
基礎点は1.43しか変わらなくなってしまうのですよ。
1.43ならばGOEでカバーしようと思えばできるだろうし、羽生が宇野昌磨に負けてたまるかと
4Tあるいは4Sの代わりに4Fを入れることができれば4F基礎点は12.30ありますので
96.38~96.58になって96.01よりも0.37~0.57上がることになる
演技時間も4分半から4分に短縮されることで難度の高い構成をこなしてもスタミナが持つことになるので一石二鳥じゃありませんか、ねぇ
(くどいようですが羽生にセカンド3Loが跳べたら、の話です)

女子では認定の厳しいセカンド3Loですが、男子は脚力がありますので
女子ほどには回転不足が目立つという事にはならないかもしれない。
ジャンプを跳ぶ回数が7度に減ることで、3Lzや3Fにロングエッジを抱えている選手、
苦手なジャンプを回避する選手は出てくるかもしれませんが
ジャンプの回数が1つ減ることで却ってセカンド3回転を2度組み込むことができるぶん
男子は特に不利にはならないのではないでしょうか

ウォームアップ時間がSPは4分、FSは5分に短縮されてしまったことで
平昌五輪以降も現役を続行する場合は時間の使い方には苦労するかもしれません。
またこれまでSPのステップからのソロジャンプについては直前にステップを踏んでいるんだか踏んでいないんだかわからないような跳び方をしていた多くの選手にとっては「より難しいステップからの入り」が義務付けられてしまったので点数が獲りづらくなるかもしれませんが
羽生に関してはもともと難しい入り方を行っているので全く影響は出ないでしょう
また羽生の武器はジャンプだけではない。スピン、ステップどれをとっても非常に質よくこなせるので
どこからでもGOEを得られるというのが一番大きな強み。
これはルールが変わっても評価が下がることはないでしょう。て言うか、
SOVが変わっても11段階評価に拡大されることで羽生のエレメンツ自体の評価は上がるから
得点アップは見込めるのではないだろうか
だいいち負けず嫌いで向上心の高い羽生の事だから、現役続行するならば
ルールが変わってもなんとか得点を更新できないかと考えて技術レベルを上げようとするんじゃないのかな

というわけでワタクシぶーが出した結論といたしましては
改正ルールは羽生結弦にとって何ら包囲網にはならないし
歴代最高得点更新も可能である


女性自身さん、残念でした。

レギュレーションルール変更

第56回ISU総会が終了しました。
ISU Communication 2014にてレギュレーションルール変更点が公表されましたので紹介させていただきます


I.General Regulations

Rule 121, paragraph 3 Restrictions
applying to appointed Officials:
c) Members of the Technical Committees of the Figure Skating Branch cannot act in other
disciplines in ISU Championships, Senior Grand Prix Events and Final, the ISU World Team Trophy and
the Olympic Winter Games

基本事項121条3項
任命されたオフィシャルへの制限
フィギュアスケートにおける技術委員会はISU選手権、シニアGPSおよびファイナル、
国別対抗戦、冬季五輪の他の種目の職務を担当してはならない



II.SpecialRegulations

Rule 350, Call to the Start
Paragraph 2
Delete additional 30 seconds for the first skater in every group before taking the starting position.
350条2項

いずれの(ウォームアップ)グループの最初のスケーターであってもスタート位置につく際に与えられる追加の30秒の猶予を削除

Rule 353, paragraph 1.n), part Fall
Increase deduction for multiple falls in Senior Single Skating:
-1.0 for the first and second fall,
-2.0 for the third and fourth falls,
-3.0 for the fifth and any further falls

353条1項転倒に関して
シニアシングルスケーティングにおいて複数の転倒があった場合は減点を増加する
1度目&2度目→プログラムから減点1
3度目&4度目→プログラムから減点2
5度目以上→プログラムから減点3


Rule 353, paragraph 4, Publication of results, c)
Cancel anonymity of Judges in publication of results.

353条4項結果の公表について
結果の公表におけるジャッジの匿名を取り消す


Rules 415 and 416, Age limit for Technical Specialists and Data & Replay Operators
The upper age limit for Technical Specialists and Data & Replay Operators has been extended to 70.

415条及び416条 テクニカルスペシャリスト&データ&リプレイオペレーターの年齢制限に関して
テクニカルスペシャリスト、データ&リプレイオペレーターの年齢上限を70歳とする


Rule 431, para 2, Round Table Discussion
Video from the competition in the RTD is mandatory for all international events

431条2項 円卓会議について
全ての国際イベントにつての円卓会議ではビデオの利用を義務付ける



III. Technical Rules

Rule 502, Duration of skating, paragraph 1
Duration of the Short Program for Seniors and Juniors is 2 minutes 40 seconds plus/minus 10 seconds.
Consequently the middle of the program (see Rule 353, paragraph h) is 1 minute and 20 seconds.

502条 スケートの演技時間について 1項
シニア、ジュニアにおけるSP演技時間は2分40秒±10秒。
中間の時間は1分20秒からである


Rule 504, paragraph 3
.a), Definition of Program Components Is revised as follows:
The Skater's/Pair's/Couple’s whole performance is evaluated by five (5) Program Components:
Skating Skills, Transitions, Performance, Composition, Interpretation of the Music /Timing
(for Ice Dance).
For Pair Skating and Ice Dance there must be equal demonstration of the criteria by both skaters.

504条3項
a)プログラムコンポーネンツ評価は次のように改訂される:
スケーター、ペア、カップル全体の演技は5つのプログラムコンポーネンツによって評価される
スケーティング技術、要素の繋ぎ、パフォーマンス、構成、曲の解釈/タイミング(アイスダンス)。
ペア、アイスダンスは両スケーターによって同じデモンストレーションの一致がなければならない

※PCS評価については思うところがあったりもするので別の更新記事で内容を紹介し、見解を述べたいと思います

Rule 513, paragraph 2, Draws for starting order in Free Skating
For ISU Events, OWG and WYOG
the last two groups are divided into 2 sub
-groups each (top 3+next 3 in Singles, top 2+next 2 in Pairs, top 3+next 2 in Ice Dance) with a separate draw in each sub-group.
The best placed skaters in Short skate in the “later skating” sub-group.

513条2項フリースケーティング抽選に関して
ISUイベント、五輪およびユース五輪では最後の2グループをさらに分類し
各グループを(男女シングルは上位3人と下位3人、ペアは上位2人と下位2人、アイスダンスは上位3人と下位2人)の中で抽選。
SP上位選手は下位グループの選手の演技終了後に演技を行う

Rule 515, Allowance of a delayed start or restart, paragraph 6 (new)
If any Competitor
between being called to the start and taking the starting position is injured or any other
adverse condition related to him or his equipment impeding his
skating occurs, Rule 350,
paragraph 2 applies. If 60 seconds are not enough to remedy the adverse condition, the Referee shall allow the Competitor up to 3 additional minutes applying a deduction for the whole interruption as per paragraph
3.b) above.

515条6項 スタートの延期及び再スタートにおいて
選手名がコールされてスタートポジションにつく際に故障や悪条件の出来事、スケート靴破損などの障害が起きた場合
350条2項が適用され猶予が与えられる。
状況を改善するのに1分間で不十分であればレフェリーの権限で追加の3分の猶予が与えられる


Rule 610, definition of a Spin combination:
Must have a minimum of two different basic positions with 2 revolutions in each of these
positions anywhere within the spin. To receive full value, a Spin combination must include all three basic positions.
The spin combinations with only 2positions are marked with the sign “V”.

610条スピンコンビネーションの定義
スピンコンビネーションと認められるためにはスピン内のあらゆるポジションで
連続2回転以上の異なる基本姿勢二つが含まれていなければならない
スピンコンビネーションとしての完全な基礎点を得るためには3つの基本姿勢を含んでいなければならない。
基本姿勢が2つしか含まれていない場合の印は【V】である


Rule 611, paragraph 2,content of the Short Program, Ladies Senior
e) Layback/sideways leaning spin or sit/camel spin without change of foot

611条2項女子シニアSPの必須スピン
レイバックスピン/サイドウェイズリーニングスピン、もしくは足換え無しのシット、キャメルスピン


Rule 611, paragraph 3, content of the Short Program, Ladies Junior 2016-2017
e) Layback/sideways leaning spin or sit spin without change of foot;

611条2項ジュニア女子SPに要求されるスピン
レイバックスピン/サイドウェイズリーニング、もしくは足換え無しのシットスピン


Rule 611, paragraph 4, part Jump combinations Revise the last part as follows:
c) If the same jump is executed as a solo jump and as a part of the jump combination, the repeated jump
will not be counted (if this repetition is in a jump combination, only the individual jump which is not
according to the above requirements will not be counted).
If an extra jump(s) is executed, only the individual jump(s) which is not according to requirements will
have no value. The jumps are considered in the order of execution.

611条4項 ジャンプコンビネーションの一部については最後の部分を次のように改定する
c)同一ジャンプがソロジャンプとジャンプコンビネーションの一部として実施された場合繰り返されたジャンプはカウントされない。
もしこれがあとで実施されたジャンプコンビネーションの一部だった場合は繰り返し条件に違反している個別のジャンプのみカウントされない
余計なジャンプは無価値である。ジャンプは実施した順に考慮される


Rule 611, paragraph 4, part Spins
Revise
d) as follows:
d) Flying spin:
Senior: Any type of flying spin is permitted with landing position different than in the Spin in one position.
Junior: Only the prescribed type of flying spin is permitted.
Senior and Junior: A step over must be considered by the Judges in the Grade of
Execution. A minimum of eight (8) revolutions in the landing position which may be different from the flying position. No previous
rotation on the ice before the take-off is permitted. The required eight (8) revolutions can be executed in any variation of
the landing position.

611条4項フライングスピンにおける改訂
フライングスピン:シニアは単一姿勢と異なるものであればいかなる着氷姿勢も許される
ジュニアは定められたタイプのフライングスピンのみ許される
シニア、ジュニアはステップオーバーがあった場合GOEに考慮されなければならない
フライング姿勢を着氷してから最低連続8回転しなければならない。フライングスピンの離氷前に回転することは許される
要求される回転数は着氷のいかなる姿勢から8回転である

e) Ladies –sit or camel spin without change of foot:minimum of eight (8) revolutions in this position
e)女子 足換えを伴わないシットまたはキャメル姿勢を行う場合は最低8回転が要求される

Rule 612, paragraph 2, part Repetitions
Change the last sentence:Extra jumps and jump elements:
If an extra jump(s) is executed only the individual jump which is not according to the requirements will
have no value. The jumps are considered in the order of execution.

612条2項繰り返しについて
余分なジャンプ要素について最後の一文を変更する
余計なジャンプが実施された場合繰り返し条件に違反している個別のジャンプのみ無価値とする。実施したジャンプの順に考慮される


Rule 619, part Solo spin combinations
Revise as follows:
Must have a minimum of two different basic positions with 2 revolutions in each of these positions by
both partners anywhere within the spin. To receive full value, a Spin combination must include all three
basic positions by both partners.
Solo spin combinations may be commenced with jumps.

619条 ペアスケーティング揃スピンコンビネーションについて次のように改定する
カップル両方の選手がスピンの中で連続2回転以上の2つの基本姿勢を実施しなければならない。
基礎点を完全に得るためには双方の選手が3つの基本姿勢をスピンコンビネーションで実施しなければならない
ペアにおけるソロのスピンコンビネーションはジャンプによってはじめてもよい


Rule 619,part Pair spin combinations
Revise as follows:
Must have a minimum of two different basic positions with 2 revolutions in each of these positions by
both partners anywhere within the spin. To receive full value, a Spin combination must include all three
basic positions by both partners.
The pair spin combination must include at least one change of foot of both partners. If there is no change
of foot or no change of position by both partners, the element will have no value.

619条ペアで行うスピンコンビネーションに関して次のように改定する
選手の2人ともがスピンの中で最低連続2回転以上の異なる2つの基本姿勢を実施しなければならない。
完全に基礎点を得るためには選手の2人ともが3つの異なる基本姿勢を実施することが要求される
ペアのスピンコンビネーションスピンは両選手が足換えを1回行わなければならない。
足換えを行わなかった場合、姿勢変化を行わなかった場合この要素は無価値となる


Rule 620, paragraph 3, content of the Short Program, Pairs Junior
Revise as follows:
2016-2017
a) AnyLasso lift take-off (Group Five)
c) Double or triple toe loop or Flip/Lutz throw jump

620条3項ジュニアペアSP
2016-2017
a)いかなる離氷のラッソーリフト
b)2回転あるいは3回転のスロートウループ、フリップ、ルッツ


Rule 621, paragraph 5 (former 4), content of Pairs Free Skating,
part Solo jumps, jump combinations and jump sequences Add at the end:
If an extra jump(s) is executed, only the individual jump(s) which is not according to the requirements
will have no value. The jumps are considered in the order of execution.

621条5項 ペアのソロジャンプ、ジャンプコンビネーションまたはシークエンス
余計なジャンプが行われた場合は繰り返し条件に違反する個別のジャンプのみ無価値となる。
ジャンプは実施した順に考慮される

平昌五輪翌シーズンの2018-2019年よりGOE評価が11段階評価に拡大されることや
男子、ペアスケーティングのFS演技時間が縮小され、ジャンプ回数が減ることも可決されたのですが
こちらの改正案には盛り込まれていません。後日発表となるのでしょうね

気になるのは「ジャッジの匿名廃止」でしょうか?
評価の公表についてはもともと以下のルールとなってました

c)Following each Segment a printout indicating the Base Values of all the Elements and
the GOEs and points for the Program Components from every Judge will be issued.
For ISU Championships, Olympic Winter Games, Senior Grand Prix of Figure Skating Events
and Final, the Judges’ marks are listed in a random sequence without any reference to
specific Judges’ names (anonymity).

各部門終了後全ての要素の基礎点と各ジャッジによるGOE、PCS得点が公示される。
ISU選手権、冬季五輪、シニアGPSやファイナルにおいてはジャッジの採点は具体的な名前の記述をすることなく
無作為の配列で並べられる(ジャッジの匿名制)


それに対してノルウェーが出していた提案事項がこちら

For all figure skating competitions, championships, events
and Olympic Winter Games, the Judges names and their respective scores will be published.

Reason: If the judging is transparent it will increase the accountability of the judges. It will attract the media, sponsors
and public in a positive way.
There is a need for greater transparency in order to improve public understanding of the sport of figure skating and
confidence in the judging system. At present the marks given by each judge are not made available to the
public/Skaters/Coaches, which has a legitimate interest in being able to properly read the opinions of each judge during
a major championship, etc.
If the media is denied access to the marks given by each individual judge, this may result in an increase in unnecessary
conspiracy theories regarding judges and the fairness of all figure skating discipline.

全てのフィギュア・スケートの競技会、選手権、大会とオリンピック冬季大会で、ジャッジの名前と彼らの各々の点は公表される。

理由: もしジャッジングが明白(透明)であれば、ジャッジの説明責任が増す。それは肯定的な方法で、メディア(広告媒体)、スポンサーと公衆の心を引き寄せるであろう。
フィギュア・スケートとジャッジングシステムの信頼の公共の理解を向上させる為に、より大きな透明性が必要とされる。現在、各ジャッジから与えられる採点は、正当な興味を持つ公衆/スケーター/コーチが、主要な選手権などで、きちんと各ジャッジの意見を読み取ることが可能にされていない。
もし、メディアが個々のジャッジにより与えられた採点の入手が拒絶されれば、ジャッジと全てのフィギュア・スケート競技(種目)の公平性についての不必要な陰謀説の増加を生ずるかもしれない。

発表された改定案では確かにジャッジの匿名を削除とは発表しました。
ブロガーさん情報などを見てるとISU技術委員会の全面降伏的なご意見が多いのですが
ノルウェー提案のとおり「ジャッジ名と彼ら各々がつけた得点が公表される」とまでの記載になっていないところがどうも引っかかります
考えがひねくれてるからかもしれないですが
なんだか具体的なことに言及していないところに逃げ道を用意しているような気がしてならないです

あとソチ五輪以降GOEやPCS評価が高騰してインフレを招いていることに関しては、個々のジャッジが突出しておかしな採点を行っているというよりは
ジャッジ全体として選手を過大評価しているところもあるんじゃないかと思います
羽生結弦のジャンプみたいに8つの加点要素すべて満たすような要素をこなす選手が現れているというのも一つの要因だと思いますが
これってこんなに高い評価を出すような質だったかなというものが、ジャッジの平均評価が吊り上って高得点になったり
高いGOEにつられてスケーティングや繋ぎが今一つの選手でもジャッジ全体が全て高い評価を出したりもしているので
シャッフルが廃止されてもジャッジの過大評価が無くならない限りやっぱり何も変わらないのではないかと思います

「ジャッジの匿名廃止」だけじゃ何も変わらない

こちらの更新記事で「ジャッジの匿名が廃止されても何も変わらない」と述べさせていただいた

他のブロガーさん情報、Twitterのやり取りでは「ジャッジの匿名廃止は大きな進歩。
これでおかしな採点は無くなる」という意見は多く出てました。
はっきり言ってワタクシぶーもアホで真意が読み取れなかったからよっしゃあ!!!とぬか喜びしたもんさ。
でも時間が経つうちに、なんかおかしくないか?という思いが強くなりこの結論に至りましたので
なぜこの結論に至ったか根拠を述べさせていただく

1.現在のパネルジャッジ開示システムはどうなっている?

公式戦のジャッジングシステム、パネルジャッジの開示状況は以下のようになっています


 ISUグランプリシリーズ
 2016スケートアメリカ女子パネルジャッジリスト

 ISU選手権大会
 2016世界選手権女子パネルジャッジリスト

赤で囲っている部分を見比べていただきたい
GPSでは採点ジャッジの国籍が開示され、ISU選手権では非開示になっている
ISU選手権では10月末にISU選手権大会に参加する採点ジャッジドローというものが公表され
この時点では参加ジャッジの国籍ジャッジのみが開示され、大会期間後はジャッジの氏名のみ開示というスタイルをとっているからである
2016年欧州選手権採点ジャッジドロー
※『1』のチェックマークが付けられているのがユーロに参加することが決まったジャッジ国籍。13人いてSPで9人が
FSではSPの抽選に外れた4人と、SPに参加した5人が採点ジャッジとして参加


これじゃあ誰がどこの国籍かわからへんやん!と思われるかもしれませんが
どの人物がどの国籍かだけは調べる方法だけはあります

それがISUが公表している『オフィシャルリスト
「オフィシャル」とはレフェリー、採点ジャッジ、テクニカル・コントローラー(TC)、テクニカル・スペシャリスト(TS)、アシスタントスペシャリスト(ATC)
データ&リプレイオペレーターなど採点に参加するすべての担当者をひとまとめにしたものですが
採点ジャッジドローから国籍を拾って、オフィシャルリストからISU選手権大会に参加したジャッジ名を探し出せば
方法は面倒くさいですが調べることは可能にはなっています
若しくはGPSに関しては国籍も氏名も開示されていますので、ISU選手権の参加ジャッジでGPSにも参加していたジャッジがいなかったかを調べて照合する、という方法もあります

ところが現行のジャッジングシステムに関して、プロトコルには実は2種類あるという事をほとんどの人は知りません
「in random order」というジャッジの並び順をシャッフルするというシステムを採用している大会と採用していない大会があるのです
その違いを述べてみたいと思います

2.「In random order」採用と不採用の大会の違い
B級大会にはこのin random orderを採用していない大会がいくつかありますので
2015年クリスタルスケートシニア男子の実例を挙げてみます

in random order不採用の場合

パネルジャッジリスト
2015年クリスタルスケートシニア男子パネルジャッジリスト
FSプロトコル
2015クリスタルスケートシニア男子FSプロトコル
1番のジャッジADREANA ORDEANU (ROU)というジャッジについて蛍光ペンでチェックマークを入れておきました
このルーマニアジャッジ、競技会場アナウンスでは1番ジャッジとして紹介されます
「in random order」という言葉はどこにもありませんので
プロトコルにはこの紹介順の並びで反映されます
クリスタルスケートの場合、ADREANA ORDEANU(ROU)は出場した全ての選手のプロトコルで1番を担当していると特定できます
in random order採用の大会。これは全ての公式戦に関して採用されているのですが
大会会場で並んでいる席や紹介順と実際にプロトコルで並んでいるジャッジは異なっています。
そして、それは選手によってジャッジの番号はまちまちになっています

一方【in random order】を採用している公式戦について
2916年世界選手権女子FSパネルジャッジとプロトコルを例に挙げてみます
2016年世界選手権女子FS
パネルジャッジリスト
2016年世界選手権女子FSパネルジャッジ

2016年世界選手権女子FSプロトコル① 2016年世界選手権女子FSプロトコル② 2016年世界選手権女子FSプロトコル③ 2016年世界選手権女子FSプロトコル④
蛍光ペンでチェックマークを入れたJudge No.9 Ayumi KOZUKA (ISU)という人物に注目してみてください。
アユミ・コヅカ氏が競技会場アナウンスで紹介されるのは9番目です。
ところがコヅカ氏は
エフゲーニャ・メドベデワには右から2番目、宮原知子には5番目、アシュリー・ワグナーには7番目
アンナ・ポゴリラヤには1番目と、選手によって順番がバラバラの位置で採点を行っているのです
(※システムについて説明する為に便宜上チェックマークを入れただけであって、実際にアユミ・コヅカ氏が担当したわけではありません
どのジャッジがどの採点をしたかわからないように選手によって採点ジャッジの順番をシャッフルするというのが
in random orderというシステムなのです

なぜISUがこのシステムを採用するに至ったかについては2002年ソルトレイクシティ五輪における
ペアスケーティングにおける採点不正疑惑に端を発しています
FSでミスのあったロシアペアが優勝し、パーフェクトに演じたカナダペアが銀メダルに終わったことで北米メディアが「ミスのあった選手が金メダルとはおかしい。採点に何か不正があったのでは?と騒ぎだし
女子FSで採点を担当したフランスジャッジから「アイスダンスでフランスを勝たせる代わりにペアではロシアを勝たせてほしいとフランス連盟から要請された」などという発言が飛び出たため(このジャッジはその後発言を撤回)やっぱり不正があったと騒ぎだして両者金メダルという決着をさせました
これが現行の採点方式に移行するきっかけになったのですが、一時的にフランスジャッジが不正を認める発言をしてしまったためメディアから厳しい追及を受けることとなりました
ISUはこのメディアからの追求からジャッジを守るためにランダムオーダー形式を採用したのでした


3.一人がおかしな採点を行っても結果は順位に影響しない

とはいっても、誰か一人が突飛な採点をしたら影響が出るんじゃないの?と思われるかもしれません
一番よく言われたのは2010年バンクーバー五輪FS,浅田真央の3A+2Tコンボにつける評価でしょうか?
このFSでは韓国のイ・ジヒが採点ジャッジに入っていました
2010年バンクーバーオリンピック女子FSパネルジャッジ
イ・ジヒの紹介番号は7番。
本来はイ・ジヒの採点結果は「in random order」というシャッフルシステムによって
誰の何番で採点が行われたかはわからないようになっているはずなのですが
日本テレビの「真相報道バンキシャ」が浅田真央のジャンプに-2の評価をつけて採点を行っている韓国ジャッジを真後ろからカメラ撮影し
大会終了後発表されたプロトコルで-2評価をつけているのが8番目のジャッジであったことから
浅田真央の8番目ジャッジは韓国ジャッジのイ・ジヒと特定されてしまいました
浅田真央2010年バンクーバーオリンピックFSプロトコル

一部ファンは1人だけ-2をつけるなんておかしい!という声が上がりましたが
イ・ジヒの採点結果はプロトコルには完全に反映されません
なぜなら当時には9人のジャッジが参加しても2人がランダムで事前に除外され(除外される2人はどの選手も同じ)
残った7人の採点結果から最高評価、最低評価一人ずつを除外して
最後に残った5人の平均をとって数値を割り出すというシステムになっていました
(現在は9人のジャッジから最高、最低を独りずつカットして7人の評価平均をとって数値割出)
イ・ジヒがダミーとして除外される可能性がありましたし
仮に7人に残ったとしても-2評価をつけているのはイ・ジヒだけなので最低評価の彼女の採点は除外されてしまうため
真央の採点結果には影響は出ないのです

8人のジャッジが+評価をつけているのに一人だけ-評価をつけるというケースは時折発生します
比較的多いのは浅田真央の3Aと宮原知子の逆回転スピンでしょうか
浅田真央のジャンプに関して-2評価がつくときに「タッチパネルの押し間違いでは?」
「転倒もステップアウトもしてないのにマイナス評価はおかしい」という反応をよく目にしますが
これは採点ミスでもありませんしマイナスがつくのもおかしなことではないのです
そもそも採点ジャッジが採点を行う時、タッチパネルを使用します。「-(+)」「3」などと、キーボードの手入力ではない
そのタッチパネルは↓のようになってます
採点ジャッジが使用するモニター
これでボタンの押し間違いが起こりうるんだろうかと思います
ではこの-2評価がおかしいのか?についてですが、GOEについてはあまり知られていないルールのからくりがあります
それは
「GOE-3」などと指定されているもの以外は
減点要素があっても加点に相当する部分があれば加味して良い
減点項目が複数見つかった場合はそれを足してもよ

というルールです GOEの出し方というのはジャッジはまず加点に相当する分を探し出して最高評価を出します
そこからガイドラインに従って評価を下げていくのです
(2014-2015年までは【GOEは必ず-になるエラー】【最終GOEは±に制約されないエラー】と2種類あって
「必ず-になるエラー」でも高さや繋ぎに工夫があるなどすれば加点部分を考慮してもよかったが
現行ルールではSPでコンビネーションジャンプが1つも入らなかった以外は
「最大評価」-「最高評価」で出すことになっています)

浅田真央がジャンプで疑われやすいのは「回転不足」と「ツーフット」。
テクニカルスペシャリストが「回転はセーフ」と判断しても、GOE減点要素は「<、<<判定を受けなくても採点ジャッジが回転が足りないと判断した場合には1段階評価引き下げ」というルールがありますし
フリーレッグが氷上を擦った場合は評価を1段階引き下げ、がっつり氷上についていたという場合は2段階評価引き下げというルールにもなっている。
採点ジャッジは9人が横並びになっているので浅田真央の着氷のつま先から降りてエッジがくるっと回る癖、
ぎりぎりまで足をクロスして氷上ギリギリでフリーレッグをほどく癖などは
角度によっては足りないと見えるジャッジもいますし「フリーレッグが氷上を擦っている」ようにも見えてしまう。
だから2段階評価を引き下げてしまうジャッジも出てきてしまうのです

宮原知子の逆回転スピンも同様でガイドラインには「回転の変更前、変更後のポジションが離れすぎ」「回転が遅い」などは
それぞれ1段階評価引き下げとなっています。採点ジャッジの中には
「ちょっとポジション離れすぎではないか」と思われてしまうところもありますし逆回転後のスピン速度はそれほど速くないので
マイナスをつけてしまうジャッジも出てきてしまうのです
というか、ほかのジャッジが+評価をつけているのに一人だけマイナスをつけても「『減点は複合可』『減点要素があっても加点を加味して良い』というルールになっている以上、マイナスをつけても正当化しようと思えばいくらでも理由づけができるようになっているのです

4.OAC監査システム

これもあまり知られていないルールですが、国際競技に関しては
はたしてジャッジの採点が正しかったのかという反省会もありますし、Ofifcial Assessment Comission( OAC)も設置されています
GPSやファイナル、ISU選手権、五輪などの公式戦で平均をとった採点ジャッジの数値から、
各々の採点がどれだけ逸脱しているかを割り出して監査をするというシステムです

GOEやPCSについては以下のようにしてジャッジの採点が逸脱しているかを調べるようになっています
【GOE】
採点の逸脱度(ショートプログラム技術点)
これはショートプログラムの例ですが、GOEについては【各要素1.00ずつ全7要素で合計7.00の誤差が生じると考えられています
ジャッジの平均点数値からジャッジAの採点でどれだけかけ離れているか、
平均より低い場合はその少なくなった数字を正数(絶対値)に置き換えて全部でどれだけの誤差が生じたかを計算していきます
この場合+評価では3.80も平均より高い評価が、-評価では3.00も少ない評価がなされているので
合計で逸脱した数値は6.80。 許容範囲とされている誤差は7.00までとなっているのでこの場合はOKという事になります

【PCS】
採点の逸脱度(演技構成点)
男女シングルの場合コンポーネンツ評価は全部で5つ。それぞれの評価で10点満点の15%ずつ誤差が生じると考えられているため
1.5×5=7.50が許容される誤差とされています
こちらの計算方法は+評価の逸脱した数値から-評価の逸脱した数値合計を差し引くという少々おかしな方式になっていて
平均値より3.60低く評価されて、平均値より高く評価されているのは4.00だから4.00-3.60=0.40で
こちらも7.50の誤差の許容範囲だからOKという事になります
平均からどれだけかけ離れた評価をしているかを割り出すのだからPCSの逸脱度も絶対値で出すべきだと思うんですけどね
絶対値だと逸脱している数値は7.60で許容範囲を超えて監査送りになってしまうので
採点ジャッジを監査送りにさせないために屁理屈こねてるようにしか思えんのだけど


ここで許容範囲を大きく超える評価などが見つかればOACからアセスメント(報告書送り)対象となって、
累積4度で報酬の没収や降格処分、資格はく奪の罰則を受けたりもします

採点ジャッジになるには英語が堪能でなきゃならないですしルールにも精通していなければならない
また技術審判には国際競技に出場したという実績も必須とされています
難度も実地研修を交通費も宿泊費も自腹で受けて難しい試験をパスして
漸くinternational資格や公式戦に参加できるISU資格を得ても
オフィシャルには選手ほど高額の報酬は用意されていません。ホテル宿泊費と交通費の実費支給と微々たる報酬のみです
報酬は少ないのに罰則は厳しい。1人平均とかけ離れた評価をしても選手の結果には反映されない、で
採点ジャッジが不正にかかわるメリットってあるんだろうかと思います。むしろデメリットの方が大きいのではないでしょうか



5.で、結局何が変わるのよ?
1人のジャッジが平均とかけ離れた評価を出しても上下カットで除外されて意味がない事
罰則規定があって平均からかけ離れた評価を出すメリットがないことは3.4で述べました
じゃあ何が変わるのよ、という話になりますが
今回の第56回アジェンダで結論が出たのはジャッジの匿名制の廃止だけ。
ので変わるのはジャッジ名がオープンになるという事だけです
国籍と採点ジャッジ名を開示してシャッフルして採点というのはGPSでとうの昔ににやっています

つまりは
2016世界選手権女子パネルジャッジリスト  
の表記が
2016スケートアメリカ女子パネルジャッジリスト
に変わるだけで、in random orderのジャッジシャッフルは続行でGPSのやり方に統一されるだけと違うのんか

という事になります
各々の採点ジャッジに責任能力を持たせ、逸脱した評価を出させないためには名前と国籍の開示だけで
なくジャッジのシャッフルを廃止して
だれが何番ジャッジとして採点したかも開示させるべきだったのではないでしょうか

長々講釈たれましたが以上が「匿名廃止だけでは何も変わらない」とした根拠でございます
拝読有難うございました

ISU総会アジェンダ可否速報その③

イェールン・プリンス氏ツイート情報より

ISU総会アジェンダTwitter⑧
GOEは改正により11段階とする

ISU総会アジェンダTwitter⑨
ISU選手権においては最終2Gのそれぞれのグループをそれぞれ上位、下位に分けて抽選

ISU総会アジェンダTwitter⑩
スピンコンビネーションは基本ポジションが3つ含まれていない場合はVの基礎点とする

ISU総会アジェンダTwitter⑪
レイバックスピンを廃止。(フライングスピンと異なる基本姿勢で8回転以上)

ISU総会アジェンダTwitter⑫
ザヤの緩和。コンボで同一ジャンプが重複した場合は重複したジャンプのみノーカン


ワールドFSの最終2Gそれぞれを上位、下位に分けて下位選手演技終了後に上位選手が演じるという案は
元の提案事項としては五輪も入っていたはずですが選手権大会のみとなりました

GOEが現行の7段階から10段階に引き上げるというのがもともとの案でしたがこちらも11段階で改正。
恐らく-5~+5という事になり加点要素も、マイナス要素も追加されるのでしょう
難度の高いジャンプよりも質の良い難度の低いジャンプが得点で上回るという事は避けてもらいたい

女子のSPに関してレイバックスピンが廃止、フライングスピンと異なる基本姿勢で
8回転であればどんな基本姿勢でもよいという事になりました

ジャンプのザヤ緩和もうれしい改正でした

プリンス氏はツイートしておられませんが、ウォームアップ時間がSPは4分、FSは5分になるという案がどうやら可決となった模様で
これについては何だかなぁと思います
十分に体が温まらないうちにスピードを出して無理に難しいジャンプを跳ぶことでニアミス、衝突事故がさらに増えることがなければよいのですが

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ぶー

Author:ぶー
選手を混乱させ続け、迷走し続けるフィギュアスケートのルールや
採点のあり方について私なりに思うことを書いていきたいと思っています。
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